オバマ氏、広島でアジアの安定訴えへ
演説を計画 日本経済新聞 朝刊 1面 2016/4/23 3:30
オバマ米大統領は5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の直後に被爆地、広島を訪れ、演説する方針だ。日本側とはサミットが閉幕する27日の日程で調整する。1945年8月6日に原爆を投下した米国の現職大統領が広島を訪れるのは初めて。「核兵器なき世界」を掲げるオバマ氏は演説で、核廃絶とともにアジアの安定を訴える見通しだ。(関連記事総合2面に)
米政府高官はオバマ氏の広島での演説に関して「日本人や核不拡散を望む人々に重要なメッセージを発信したい」と説明した。核開発を続ける北朝鮮を批判。日本は先の大戦の加害者だとして、広島訪問への反発が予想される中国や韓国などアジア諸国・地域を念頭に、アジアの安定を求める見込みだ。
中韓の拒否反応は米国のアジア戦略にも影響しかねないと、政権内にはオバマ氏の広島訪問への慎重論がある。核廃絶の取り組みだけでなく、アジアの安定を呼びかけるのは、こうした懸念を沈静化する狙いもある。
演説を巡って今年が旧日本軍による真珠湾攻撃75年目に当たる点に触れるかどうかも議論になっている。2015年に安倍晋三首相が訪米する際、真珠湾の訪問構想が浮上した。オバマ氏が広島を訪れることにより、首相の真珠湾訪問構想が再燃する可能性もある。
米国による広島や長崎への原爆投下は「日米間の奥深くに刺さったトゲ」とも評される。オバマ氏の訪問はそのトゲを抜く効果も期待される。日米同盟関係は新たな段階を迎える。
オバマ氏は09年4月、チェコの首都プラハでの演説で「米国は原爆投下の道義的な責任がある。核廃絶の先頭に立つ」として「核兵器なき世界」を提唱した。
演説を計画 日本経済新聞 朝刊 1面 2016/4/23 3:30
オバマ米大統領は5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の直後に被爆地、広島を訪れ、演説する方針だ。日本側とはサミットが閉幕する27日の日程で調整する。1945年8月6日に原爆を投下した米国の現職大統領が広島を訪れるのは初めて。「核兵器なき世界」を掲げるオバマ氏は演説で、核廃絶とともにアジアの安定を訴える見通しだ。(関連記事総合2面に)
米政府高官はオバマ氏の広島での演説に関して「日本人や核不拡散を望む人々に重要なメッセージを発信したい」と説明した。核開発を続ける北朝鮮を批判。日本は先の大戦の加害者だとして、広島訪問への反発が予想される中国や韓国などアジア諸国・地域を念頭に、アジアの安定を求める見込みだ。
中韓の拒否反応は米国のアジア戦略にも影響しかねないと、政権内にはオバマ氏の広島訪問への慎重論がある。核廃絶の取り組みだけでなく、アジアの安定を呼びかけるのは、こうした懸念を沈静化する狙いもある。
演説を巡って今年が旧日本軍による真珠湾攻撃75年目に当たる点に触れるかどうかも議論になっている。2015年に安倍晋三首相が訪米する際、真珠湾の訪問構想が浮上した。オバマ氏が広島を訪れることにより、首相の真珠湾訪問構想が再燃する可能性もある。
米国による広島や長崎への原爆投下は「日米間の奥深くに刺さったトゲ」とも評される。オバマ氏の訪問はそのトゲを抜く効果も期待される。日米同盟関係は新たな段階を迎える。
オバマ氏は09年4月、チェコの首都プラハでの演説で「米国は原爆投下の道義的な責任がある。核廃絶の先頭に立つ」として「核兵器なき世界」を提唱した。